新しい元号の「令和」が初めて国書である万葉集から取られた今、その万葉集が脚光を浴びています。
これを機会に万葉集を読んでみよう、と言う方も多いのではないでしょうか?
子供の名前を考え中の方でしたら、万葉集から名前をいただこう、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
非常に素敵なことだと思います。
私も、二人目の子供(女の子)の名前を考える際、万葉集をパラパラとめくり、地名2箇所からそれぞれ一文字ずつをいただいて、漢字2文字で名前を決めました。
その内の1文字は「天の香具山」から。
「天の香具山」から1文字とった、というだけで風情があると思いませんか?
そこで、私なりに考えた、万葉集を利用した名付け方法をご紹介したいと思います。
これを読んで、自分の子供の名前は万葉集を参考にして決めたい、という方が出てくれば非常にうれしいです。
その前に、私が気をつけた名付けの基本ルールについてもご紹介いたします。
このルールを前提にして名前を考えていくことが重要だと思います。
何事も基本が重要です。
1.名付け基本ルール
字数があまり多くない漢字を使用する
名前は一生のうちで一番書く機会が多い字になると思います。
子供時代には、試験やテストの度に必ず最初に、大人になっても様々な書類で自分の名前を記入する必要があります。
その都度、多い字数の漢字を書くことになると、非常に面倒です。子供に恨まれますよ!
読みやすい名前にする
オリジナリティを求めるあまり、特殊な読み方をさせる名前があります。いわゆるキラキラネームです。
親の思い入れが強いのは良いことなのですが、後々子供が苦労することになります。
平易な読み方を心がけるのが良いかと思います。
漢字の意味に注意する
漢字にはそれぞれ意味があります。「響きや形が良いと思って選んだ漢字が、実は悪い意味だった!」ということにならないようしっかり調べる必要があります。
ここで、例えを出すと、その漢字を使っている人に失礼なので、紹介しませんが・・・
ただ、漢字の成り立ちまでは考えなくても良いと思います。例えば、「道」の成り立ちは縁起が悪いのですが、漢字の意味には悪い要素がありません。
漢字辞典で、漢字の意味をしっかり調べてください。
画数にこだわらない。
気にする人は気にするのでしょうが、私はまったく気にしません。
画数診断や占いには、いろいろな流派(?)があり、同じ名前でも違った結果が出るのではないでしょうか?
私は自分自身の画数を気にしたことがありませんし、子供の画数も気にしていません。
画数より漢字の意味のほうがよっぽど重要です。
画数にこだわるあまり、せっかく気に入った漢字が使えないのはナンセンスです。
以上の基本ルールを大前提にして、万葉集から名付けを考えたいと思います。
2パターンが考えられます。
2.万葉集から名付け その1(簡単な方法)
まずは簡単な方法から。
気に入った漢字だけ取り入れる方法です。
万葉集をパラパラめくり、気に入った漢字をどんどん抜き出していきます。
その漢字の組み合わせで名前を考えます。
例えば、歌を読んでいき、菜、大、和、天、香、月、代、花、など地名や自然を表した単語から取っていきます。
その後、漢字の意味を調べるのをお忘れなく。
地名をそのまま名前にするのもアリだと思います。
万葉集でよく出てくる地名の、「明日香」だったらそのまま女の子の名前になりますし、「万葉まほろば」という感じがしますね。
ひらがなにして「あすか」にするのも、優しさが出て良いと思います。
3.万葉集から名付け その2(難しい方法)
ひとつの歌(短歌、長歌)や、前文から漢字を取り出す方法です。
令和は序文から漢字を取り出していますが、このパターンですね。
歌の意味を知ったうえで、ポイントとなる漢字を取り出して名付けます。
こちらの方法のほうが「万葉集から取りました」感が強いと思いますが、実践するのはなかなか難しいです。
かなり勉強しないといけないと思いますが、完成したらとても素敵な名前になると思います。
非常に簡単な例であれば、
正月(むつき)立ち 春の来らば かくしこそ
梅を招きつつ 楽しき終へめ万葉集 巻第五 梅花の歌三十二首より
から、春生まれの男の子に「正春」と名付けるなど。
すごく簡単な例ですが。
もう少し、複雑な歌を選んだのがこちらの記事です。
⇒【万葉集の歌から子供の名前を考える】
以上、名付けの基本と万葉集からの取り入れ方を紹介しました。
私が名付けのために購入した本は「日本の古典をよむ」シリーズです。
大きな文字で読みやすく、現代語訳と解説が読みやすかったです。
万葉集に関してネットでも様々な情報が得られますが、パラパラとめくれる本のほうがイメージがわきやすいです。