万葉集

万葉集の歌から子供の名前を考える

待望の我が子が生まれる!というとき、嬉しさと不安が入り混じる中、子供の名前を考えるのは、楽しいと同時に、責任重大で難しいですよね。
巷には名づけの本がたくさんありますし、ネットを検索してもたくさん出てきます。
しかし、そこから単純に選んだ名前で良いですか?

以前にも当サイトで書きましたが、万葉集から名前を考えるのはどうでしょう?
新元号の「令和」は万葉集が由来です。
「私の名前は令和と同じく万葉集が由来なんです!」というのは素敵ではありませんか?

今回、万葉集の中から名づけにぴったりの歌を見つけたので、紹介したいと思います。
名づけの基本ルールは、以下のページを参考にしてください。

「子供の名前は万葉集からいただきました」が、令和時代の名付けトレンドになる!? 新しい元号の「令和」が初めて国書である万葉集から取られた今、その万葉集が脚光を浴びています。これを機会に万葉集を読んでみよう、と言う...

万葉集から歌を選ぼう

万葉集には様々な身分の人達が、生きていく中で日々感じる想いを詠んだたくさんの歌が収録されています。
種類により雑歌(ぞうか)、相聞(そうもん)、挽歌(ばんか)に分類されます。

名前に使用するのですから、良い歌を選びましょう。
相聞は贈答しあった歌、挽歌は人の死を悼む歌、雑歌はそれ以外、となりますので、挽歌を選ぶのは良くないですね。
相聞は恋の切なさを詠む歌が多いので、これも違うかな・・・

私は、自然の美しさを詠んだ歌を選ぶのが良いと思います。
そんな中から選んだ歌をご紹介します。

吉野を讃える歌

やすみしし わご君(おほきみ)の 高知(たかし)らす 野のは 畳(たたな)づく 青垣隠(あをかきごも)り 川(かわなみ)の き河内(かふち)そ べは 花咲きををり 秋されば 霧(きり)立ち渡る その山の いやますますに この川の 絶ゆること無く ももしきの 大宮(おほみやびと)は (かよ)はむ

み吉野の 象山(さきやま)の際(ま)の 木末(こぬれ)には ここだもさわく 鳥の声かも

ぬばたまの 夜(よ)の更(ふ)けぬれば 木(ひさき)(お)ふる 清き川原に 鳥しば鳴く

山部宿禰赤人(やまのべのすくね あかひと)

赤人が吉野の自然を讃えた歌です。
長歌と反歌2首から構成されています。
マーカーを引いた、大、高、知、吉、宮、次、清、春、花、咲、常、久、生、千 が名前に使えそうです。

おおよその意味は、以下のとおりです。
中西進先生の「万葉の秀歌」を参考にさせていただいています。
中西先生は「令和」の発案者と言われている先生です。

わが天皇の吉野の宮は、青々とした木々に囲まれ、川は清く流れ続いている。春には花が咲きあふれ、秋には霧が立ち渡る。その山々や川の流れが絶えないように、宮に仕える人々は吉野に通い続けるだろう。
吉野の象山あたりの梢には鳥の声があふれている
夜が更けると河原に生い茂った久木(あかめがしわ)から鳥の声が聞こえる

中西先生の解説では、長歌で青々とした山⇔清く流れる川、春の花⇔秋の霧、を対比させ、反歌で朝⇔夜を対比させた幾何学的な構成をもつ優れた自然賛歌である、ということです。

吉野の自然豊かかな情景が頭に浮かぶと共に、鳥の声が聞こえてきそうですね!
このような素敵な歌から名前を取ることができれば、素敵な名前になるんじゃないでしょうか?

中西先生の書かれた「万葉の秀歌」はお勧めです。
私は古典の授業が嫌いでしたが、こんな先生に教えてもらったら好きになれたんじゃないかな?と思います。
他にも素敵な歌が紹介されていますので、ぜひ手に取ってみてください。