自転車

奈良サイクリング ― 秋晴れと仏像と魚だしラーメン

朝8時半、快晴の空の下を出発。名阪国道を天理へ。車の流れがよく、ハンドルを握る手も軽い。

9時40分、天理駅近くの駐車場(エコロパーク天理駅前第1)に到着。料金前払い制でレシートをダッシュボードの上に載せておく。秋の青空が広がり、サイクリング日和。さぁ行こう。

まずは天理の街中を抜ける。巨大な宗教施設がそびえていて、宗教都市のスケールを感じる。
街を出て山道へ入ると、ゆるやかに登り坂。汗が滲み、上着を一枚脱いだ。

やがて白川溜池に到着。釣り人が何人も糸を垂れている。
フナかコイか――静かな水面に浮かぶウキを眺めながら、しばし立ち止まる。池のほとりをゆっくり走ると、日差しが暖かく気持ちいい。

次の目的地は正暦寺。山道はじりじりと登り、意外に車も多い。紅葉シーズンの名残りか、交通整理のおじさんたちが忙しそうだ。
駐車場に着き、自転車を停める。参拝客も多い。紅葉は盛りを過ぎているが、それでも木々は赤く染まっている。

拝観料800円を払って石段を登り、本堂へ。靴を脱ぎ、板の間を歩く。
中央には薬師如来坐像。左右に月光菩薩と日光菩薩が立つ。その手前には明王像の列。
荘厳な空気に包まれて、しばらく見入ってしまった。
紅葉は控えめだったが、良い仏像を拝めて満足だ。

山道を戻り、「山の辺の道」を北上する。交通量も人も増えてきた。
やがて浮見堂へ。観光客が押し寄せ、鹿も群れている。
奈良公園の喧騒に巻き込まれ、オレは自転車を押して歩いた。
食事を取ろうと思ったが、あまりの人混みにすぐにその気が失せる。
脇道に入って「やすらぎの道」を南へ下る。

やがてラーメン屋の看板が目に入った。「ふじ門製麺」。
引き寄せられるように暖簾をくぐると、店内は静かで先客が一人。さっきまでの騒ぎが嘘のようだ。
券売機で魚だし特製ラーメン(1,200円)を購入。中太麺を選ぶ。
5分ほどで登場したラーメンは、見た目からして上品。

チャーシュー、煮卵、素揚げしたレンコンとごぼう、白ネギと小エビ、水菜と青ネギ。
出汁をひと口。魚の香りが立ち上がり、うま味がじんわり。
麺もうまい。小麦の味がしっかりしている。チャーシューは分厚く、やわらかジューシー。
煮卵も完璧。気づけば汁もほとんど飲み干していた。
――これは当たりの一杯だ。

腹を満たして再び南へ。京終(きょうばて)駅前のベンチで休憩。
ウィンドブレーカーを脱いで長袖Tシャツ一枚になる。秋の陽が心地いい。
汗をかきすぎると冷える。こまめな調整が大事だ。

住宅街の細道を抜ける。ときどき田畑も混じる、奈良らしいのどかな風景。

自動車道の下をくぐると天理の町が見えてきた。駐車場に戻ったのは13時過ぎ。

自転車を積み込み、駅前の方が賑やかなので行ってみると、
「ワールドフェスティバル天理2025」が開催中だった。
屋台が並び、ステージではサンバのリズムが響いている。
秋晴れの空の下、平和でのんびりした時間が流れていた。
オレはしばらく立ち尽くし、その景色を眺めていた。


走行メモ

  • 走行距離:30.1km
  • 走行時間:2時間1分
  • 獲得標高:290m

紅葉の山と仏像と魚だしラーメン。
奈良の一日は、静と動と、ちょっとした偶然の出会いに満ちていた。