最近、名付けの新トレンドとして注目されているのが『万葉集』などの古典から引用するスタイルです。
元号の「令和」がまさにそうですね。

我が家では、娘の名前に万葉集に出てくる「天の香久山」にちなんで「香」の字を使いました。
実際に古典から名前を付けてみて感じるのは、響きが美しいだけでなく、その背景にある壮大な物語を子供に語って聞かせられる喜びです。

『キラキラしすぎず、でも古臭くない名前がいい』
そんなこだわりを持つパパ・ママに向けて、今回は万葉集から着想を得た、令和の時代にこそ輝く男の子の名前例をまとめました。

 男の子の名前候補

名前(読み)出典由来となったフレーズ・背景
大和(やまと)巻第一:2(舒明天皇 国見の歌)「大和には 群山あれど…」日本を象徴する雄大さと、平和(大きな和)を願う。
夏来(なつき)巻第一:28(持統天皇)「春過ぎて 夏来たるらし…」溢れる生命力と輝く才能。
貴士(たかし)巻第三:317(山部赤人 富士山を眺望して詠んだ歌)「…高く貴き 駿河なる 富士の高嶺を…」気高く力強い響き。
照月(てるづき、しょうげつ)巻第三:317(山部赤人 富士山を眺望して詠んだ歌)「…照る月の 光も見えず 白雲も…」雅で神秘的な知性。
正春(まさはる)巻第五:815(第弐紀卿「…正月立ち 春の来たらば…」迎春のようにおめでたい。
山高(やまたか)巻第六:909(笠金村)「山高み 白木綿花に 落ち激つ…」志を山のように高く。
清春(きよはる)巻第六:923(山辺赤人)「…川次の 清き河内そ 春べは…」清らかで春のように朗らか。
久生(ひさお)巻第六:925(山辺赤人)
「…久木生ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く」長生きできるように。
清千(きよち)巻第六:925(山辺赤人)「…久木生ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く」清らかで実り多い人生に。
天海(てんかい)巻第七:1068(天を詠む 柿本人麻呂歌集)「天の海に 雲の波立ち 月の舟…」広大で青い天空のような心を持つように。
弓月(ゆつき)巻第七:1088(雲を詠む 柿本人麻呂歌集)「…弓月が岳に雲立ち渡る」しなやかな心と知性を持ち合わせる。
梓(あずさ)巻第十八:4094(大伴家持)「…梓弓 手に取り持ちて 剣大刀…」強くしなやかな心。

「一生もの」の名前を見つけるための、頼もしい相棒

名前例を挙げましたが、いざ自分の子に贈るとなると、最後は『親としての確信』が欲しいものですよね。
私自身、娘の名前に天の香久山から『香』の字を選んだときは、まさに暗中模索でした。
夜な夜な、一冊の本を何度も何度もめくっては、漢字の持つ響きや情景を頭の中で描いたのを覚えています。
その時、私のボロボロになるまで付き合ってくれたのが、『万葉集 (日本の古典をよむ 4)』で、万葉集が好きになって最近購入したのが『万葉の秀歌』です。

本をおすすめする理由

 ネットの情報だけでなく、書籍として歴史に裏打ちされた言葉を選ぶ安心感があります。
特に『万葉の秀歌』の著者・中西進先生は「令和」の名付け親とも言われる万葉集の第一人者であり、分かりやすい解説で定評があります。

ネットで検索すれば名前の候補はいくらでも出てきます。
でも、静かな夜にページをめくりながらこれから生まれる子供を想いながら『この漢字だ!』と出会う瞬間は、親としての最初の宝探しのような時間になると思います。

これからパパ・ママになる方にも、ぜひこれらの本を手に取って、じっくりと『一生の贈り物』を選んでほしいと思います。