読書

【読書】逃げる力/百田尚樹

仕事を頑張りすぎて心身を壊し、場合によっては命までも・・・

痛ましいニュースを見るたびに、どうして逃げなかったの?と思ってしまいます。

ただ、本人はそのような思考ができないところまで、追い詰められていたのでしょう。

日頃から「逃げる力」を養っていれば、そこまで追いつめられるまでに、逃げられたかもしれません。

私は、大学卒業後、新卒で入社して9年働いた会社を32歳で辞め、紆余曲折あり今の会社に入って12年目です。

これまで何度も逃げ出し、今の会社も逃げ出したい衝動に駆られているときに、この本に出合いました。

もしかすると、会社を辞める後押しをしてほしかったのかもしれません。

でも、読み終えた後、明日から逃げずに頑張ろう!という気持ちが芽生えてきました。

逃げたほうが良いパターンと、逃げずに頑張ったほうが良いパターンと、分かりやすく解説されていたからです。

努力もせず、自分に合わないとか、好きな仕事でない、と言って仕事を辞めるのは、逃げてはいけないパターンです。

一番、考えさえられたのが、「幸せの絶対的基準を持っているか」でした。

人は、とかく自分と他人を比較してしまいがちです。

比べ始めたら、キリがありません。

そうではなく、幸せの絶対的基準を持つべき、と百田さんは訴えます。

私の絶対的な幸せの基準は、百田さんと同じく「家族が健康で幸せに暮らす」です。

家族を持つ人は、ほとんどそうなるのではないでしょうか?

最も、心を揺さぶったのは、以下のくだりです。

仕事は替えがありますが、家族は替えがありません。本当にかけがえのない存在です。大事にするのは当然です。世の中には、離婚すれば替わりはいるという人もいるでしょうが、家族をそんな風に「替えがきくもの」と考えている人生は、非常にむなしいものと思います。

同感です。

今の仕事はきつくてしんどいのですが、その仕事で給料を貰い、そのおかげで家族を養い、幸せに暮らしています。

しんどい仕事ですが、私の健康や家族の幸せは奪ってはいません。

家族が幸せである以上、仕事を頑張っていこう、と思いました。

自分の考えが甘かったのです。

本の中にも出てくるのですが、戦争や震災を体験した人に比べれば、仕事の悩みなんかちっぽけなものです。

そう考えると、気持ちがすっきりしてきました。

でも、さらに仕事が忙しくなり、いよいよ自分の健康や、家族との時間が削られることになってきたら、躊躇することなく逃げる覚悟は持っておくつもりです。

仕事は家族の幸せのためにするものです。

家族が幸せでなくなったら、仕事は辞めるべきなのです。